自己破産手続きの流れ
貸金業者から借りたお金を返すことがもはやできなくなったとき、債務者は、裁判所に対して自己破産手続きの申立てをすることができます(破産法15条)。
自己破産の手続きは、主に以下の流れに沿って進行します。
①裁判所への申立て
上述したように、まずはお金を借りた人である債務者か、お金を貸した人である債権者が、破産手続開始の申立てを裁判所によってする(破産法16条)ところから始まります。
②破産手続開始の決定
当事者からの申立てがあった時、裁判所は、債務者の負っている債務を調べたり、直接債務者の話を聞いたりして、借金を返すことが不可能かどうかを検討します。そして、債務者の借金がもはや「支払不能」(破産法15条1項)だと認められた際に、裁判所は破産手続開始の決定をすることとなります(破産法30条1項)。
この後の手続きは、債務者に金銭に換えることができる財産があるか否かによって枝分かれします。
〜債務者に財産がある場合〜
⑴管財人選任(破産法74条1項)
弁護士の中から管財人が選ばれ、以降債務者の所有している不動産、動産等の財産は管財人の管理の下に置かれます(破産法79条)。債務者が財産を勝手に処分して、債権者に配当されるはずであった金銭を侵害することがないようにするためです。
⑵債権者集会及び配当
管財人と債権者が集まり、債務者の財産を分配するための集会を行います(破産法135条以下)。これが適式に行われた後、配当が行われ、破産手続は完了となります。
〜債務者に財産がない場合〜
財産がないことが明らかなときは、破産手続開始決定をすると同時に、破産管財人を選ばないで破産の手続を終わらせるという、破産の「同時廃止」をすることになります。この場合には、破産管財人が財産をお金に換える手続は行われないため、破産手続開始決定がなされ、同時廃止の決定がなされたときに、破産手続が終了することとなります。
なお、この場合における「財産」とは、不動産だけでなく、預金や自動車保険の解約返戻金(生命保険や火災保険などに加入している人が,解約したときに受け取ることができるお金のこと)、又は、仮に現在退職した場合に受け取るであろう退職金などすべてのものを含みます。
以上が、自己破産手続きです。
また、破産手続が終了したとしても、依然として債務者に債務は残ったままです。債務責任を免れるためには、破産手続開始決定が確定した時から1ヶ月以内に、免責許可申立てをしなければなりません(破産法248条1項)。
免責は基本的に許可されることとなりますが、
・債権者を害する目的で、財産の価値を不当に減少させる行為や財産の隠匿をしたこと
・浪費または賭博行為によって自分の財産を減少させたこと
・破産手続きで裁判所が行う行為について虚偽の説明をしたこと
などがある場合には、免責されないことがあります(同法252条1項各号)。
もっとも、破産手続きに至った経緯などを考慮して、以上の状態にあっても裁判所の裁量によって免責許可される恐れもあります(同法252条2項)。これらに当てはまるか否かを判断することは難しいため、自己破産をする際には、法律事務所等に相談することをお勧めします。
司法書士あかせ事務所は、札幌を中心として小樽市、江別市、石狩市、千歳市など北海道全域において、債務整理や相続に関して、みなさまからのご相談を承っております。
借金返済や闇金の被害相談、過払い金の請求などでお困りの際は、当事務所までご相談ください。お客様が抱える不安や心配を取り除けるよう、親身にお話しをお伺いし、納得いく解決へ導きます。
基礎知識KNOWLEDGE
-
闇金に強い司法書士を...
■闇金への対応に困っている場合闇金業者とは、高金利で貸し付けを行う違法業者のことをいいます。悪質な手段を使い、利用者に対し不当に高金利で貸し付けを行ったり、しつこく取り立てを行ったりして、利用者から高額な金銭を奪っていき […]
-
相続に不動産がある場...
■不動産の相続相続の対象となる遺産には、土地や建物といった不動産をはじめ、預貯金や、家財道具といった動産も含まれています。相続人が複数人いる場合には、このような相続財産を遺産分割する必要があります。その際に問題となるのが […]
-
銀行預金口座の凍結解...
■銀行の預金口座に関する相続手続き人が亡くなって相続が発生すると、銀行の預金口座が凍結されるということをご存じでしょうか。これは、被相続人(故人)の預金口座が凍結されるというもので、凍結解除の手続きをしないと、口座を利用 […]
-
任意整理中に制限され...
債務の返済に行き詰まってしまった場合、債務整理をする方は少なくありません。債務整理には任意整理、個人再生、自己破産など種類があり、その中で任意整理は裁判所の判断を待たなくてよく、債務者と債権者との交渉によって債務整理が行 […]
-
自己破産とは
自己破産とは、自己の財産をほとんど処分されるかわりに、借金全額の支払い義務を免れる裁判上の手続きのことをいいます。以下、自己破産のメリットとデメリットについて説明します。 ・メリット①借金が全てなくなるやはり自 […]
-
遺言書の効果と作成方...
■遺言書とは遺言書とは、自分の死後に財産をどのように分けるのかについてあらかじめ示しておくものです。遺言書を作成しておけば、自分が生前に残した意思表示の通りに財産が分けられることになります。遺言書がないと、相続人同士で話 […]
よく検索されるキーワードKEYWORD
代表司法書士JUDICIAL SCRIVENER

札幌司法書士会
司法書士 明瀬 貴裕
当ホームページをご覧いただきありがとうございます。 私は相続、債務整理など幅広い法律問題に対応しています。 気軽に相談できる司法書士として、地域の皆様が抱える悩みを解決いたしますので、お困りの際は一人で悩まずお気軽にご相談ください。 迅速で丁寧な対応を心がけ、質の高いサービスを提供いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
事務所概要OFFICE
名称 | 司法書士あかせ事務所 |
---|---|
所在地 | 〒060-0061 札幌市中央区南一条西10丁目4番地168ほくえいビル4階 |
TEL | 011-596-8532 |
FAX | 011-596-8533 |
営業時間 | 平日 9:00~18:00(事前予約で時間外も対応可能) |
定休日 | 土・日・祝日(事前予約で休日も対応可能) |

