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相続放棄の手続きを司法書士に依頼するメリット

遺産を一切相続しない場合、相続放棄の手続きが必要です。

手続きはもちろん自分で行うことも可能ですが、司法書士に任せることもできます。

本稿では、相続放棄の手続きを司法書士に依頼するメリットについてご説明します。

 

相続放棄とは

 

相続放棄とは、相続が発生した際、その相続人が相続できる権利を全て放棄し、はじめから相続人でなかったことになるという制度です。

プラスの財産よりもマイナスの財産の方が多い場合に、相続放棄を行うことによって、被相続人の権利や義務を一切受け継がないようにすることが可能です。

 

司法書士に依頼するメリット

 

相続放棄を司法書士に依頼するメリットとして具体的には以下のようなものが挙げられます。

そもそも相続放棄をすべきなのか、相続放棄を含めたあらゆる解決方法を検討してくれる

 

相続放棄をしたいと考えている場合でも、相続放棄では目的が達成できないというケースも考えられます。

例えば、父親の遺産を母親と息子が相続するというケースで、息子が相続放棄をして母親に遺産のすべてを渡したいと考えているが、相続放棄をすると次順位の相続人である祖父母・父親の兄弟姉妹に相続権が移ってしまい、母親が全ての遺産を受け取ることができない、という場合です。

 

また、相続人の資産と負債がどのくらいあるか分からない場合には、必ずしも相続放棄が最適な方法とは限らず、相続によって得た財産の限度で被相続人の負債を受け継ぐ「限定承認」の方が適している場合もあります。

このように、負債の相続から逃れる方法は、相続放棄に限られるものではなく、上記の限定承認や、自己破産などの債務整理手続など、あらゆる解決手段が存在します。

 

上記より、そもそも相続放棄をするべきケースなのか、相続放棄以外により適した解決方法がないのか等について、専門家に相談してアドバイスを受けることで、より適切な方法を採ることができるといえます。

 

必要書類の収集、作成を代行してもらえる

 

相続放棄を行うには、少なくとも、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人(相続放棄をする人)の戸籍謄本、相続放棄申述書が必要です。

戸籍謄本は戸籍のある自治体でしか取得できず、相続放棄申述書は定められた書式にしたがって正確に作成しなければならない等、その手続きには手間がかかります。

 

そこで、司法書士に依頼することで、これらの必要書類の収集や相続放棄申述書の作成をしてもらうことができ、申述人の方の負担を署名捺印のみに軽減することができます。

また、相続放棄は3か月間という期間制限があるため、書類についての手間や失敗のリスクを減らすことが重要です。

 

回答書の書き方のアドバイスを受けることができる

 

相続放棄の申立てをすると、裁判所から、相続放棄に関する質問事項が記載された照会書が届きます。

そして、照会書の質問への答えを記載した回答書を送付することが求められます。

照会書は、相続放棄が認められない事情の有無を調査するために送付されるものですので、回答書の内容によっては、相続放棄が認められない可能性もあります。

また、相続放棄は、一度失敗してしまうと、原則的に再度の手続きを行うことができません。

 

したがって、認められたはずの相続放棄が認められないといった事態を防ぐためにも、回答書の記載方法のアドバイスを専門家から受けることは必須といえます。

 

相続放棄の期限(3か月)を過ぎた場合にも対応してもらえる

 

相続放棄の申立ては、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内にしなければなりません。

もっとも、被相続人の死亡後数年経過してから借金が発覚した場合など、3か月を過ぎてから相続放棄したいという事情が発生することもあります。

 

3か月を過ぎてから相続放棄をする場合、裁判所への「上申書」の提出が必要です。

上申書とは、期限を超過した理由を裁判官に対して説明するものであり、期限を過ぎた後でも相続放棄が認められる理由を理論的に記載し、裁判官に認めてもらう必要があります。

相続放棄についての専門的知識を有しない方が、しっかりとした上申書を作成することは非常に困難であると思われるため、司法書士へ依頼するのが安全です。

 

債権者とのやり取りを任せることができる

 

被相続人の債権者は、被相続人が借金を抱えて亡くなった場合、相続人宛てに督促をしてきます。

場合によっては、債権者が訴訟を提起してくることも考えられます。

また、逆に、相続人の方から、被相続人の債権者に対して通知を送る必要がある場合もあります。

このような場合に、司法書士に依頼しておくことで、債権者とのやり取りを代行してもらうことができます。

また、訴えを提起されている場合であっても、司法書士は裁判所に提出する書類を作成する権限がありますので、訴訟に関する難しい債権者とのやり取りも任せられるでしょう。

 

弁護士に依頼するよりも費用が安い

 

相続放棄は、弁護士か司法書士のみが行うことのできる業務です。

弁護士に相続放棄を依頼した場合の相場は10万円程度であるのに対し、司法書士に依頼した場合は35万円程度が相場です。

どちらに依頼したとしても、相続放棄の効力は変わりません。

 

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