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個人再生の住宅ローン特則について

個人再生は、借金の返済が滞ってしまったときに、借金の一部を免除してもらう裁判上の手続きのことをいいます。
他の債務整理制度に、自己の所有する家や車などの財産をほとんど全て処分するかわりに、借金の全てを免責することができる「自己破産」があります。しかし、自分にとって必要な財産を処分されたくない方は、自己破産ではなく個人再生を運用する傾向にあります。
では、上記をもとに、個人再生の住宅特則ローンについて説明します。

 

そもそも、家を購入する際、数千万円を一回で払える人はほとんどおらず、1年間で〜円といったローンを組むことになるかと思います。そしてその支払いを担保するために、家屋の販売業者は、その家に抵当権(民法369条)を設定させることが通常となっています。
抵当権は、支払いをしなかったときに、その物を競売にかけ、お金に替えることができる効力を持ちます。まとめると、ローンの支払いが滞ることによって、原則自分の家が誰かに売られ、処分されてしまいます。

 

もっとも、これでは自分の財産が処分されないとした個人再生の趣旨が没却されてしまい、結局運用するに適さないという不具合が生じます。

 

そこで、個人再生制度は、マイホームを手放さなくても良いようにするため、「住宅特則ローン(住宅資金特別条項)」を設けました(民事再生法196条4号参照)。
住宅特則ローンとは、住宅ローンの他にも借金がある場合は、他の借金部分において個人再生を適用して借金を減額し、住宅ローンのみを通常通り支払うことによって、抵当権が実行されないように防ぐ制度です。

 

住宅特則ローンを用いるためには、個人再生の要件、つまり
・債務総額が5000万円以内であること
・安定した収入があることをみたしていることを前提として、さらに
・住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出したこと
・住宅資金特別条項を定めた再生計画が遂行可能であると認められること
・個人再生申立ての際に提出する債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨を記載すること
等の、住宅特則ローン特有の要件をみたしている必要があります。

 

住宅特則ローンを初めとした個人再生制度は複雑多岐に渡るため、運用する際には一度司法書士等へ相談されることをおすすめします。

 

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